
【AWS移行の手順まとめ】クラウド移行の全体像とステップをわかりやすく解説
オンプレミスのIT環境からAWS(Amazon Web Services)へのクラウド移行を検討する企業が急増しています。
柔軟なスケーラビリティ、BCP(事業継続計画)対策、インフラコストの最適化など、AWSには多くのメリットがありますが、「何から始めれば良いかわからない」「移行手順が複雑そう」といった不安もよく聞かれます。
本記事では、AWSへのクラウド移行を成功させるための基本的な手順・ステップを、初心者にもわかりやすく解説します。
1. クラウド移行の全体像を把握しよう
クラウド移行は、単にデータを移動させるだけの作業ではありません。システム構成やアプリケーションの特性、セキュリティ、運用体制など、IT全体の見直しが必要となるプロジェクトです。
AWS移行を成功させるには、以下の5つのステップに分けて計画・実行するのが効果的です。
2. AWS移行の基本ステップ【5段階】
ステップ1:現状分析(アセスメント)
まずは、現在のシステム構成や業務フローを整理します。以下の点を明確にしましょう。
-
どのサーバーやアプリをクラウドに移行するか
-
現在の性能要件、可用性、セキュリティ要件
-
移行の優先順位(全社一括か、段階移行か)
アセスメントフェーズでの丁寧な棚卸しが、移行の成功可否を左右します。
ステップ2:移行計画の策定
次に、実際の移行方法・スケジュール・関係者体制を計画します。
AWSでは、以下のような移行パターンが代表的です。
移行パターン | 特徴 |
---|---|
リホスト(Lift & Shift) | 最短で移行できるが最適化は不十分 |
リプラットフォーム | 一部クラウドに合わせた調整(例:RDS化) |
リファクタリング | アプリをクラウドネイティブに再構築(時間・工数が多い) |
まずは小規模な範囲でPoC(概念実証)を行い、移行の実現性を確かめるのが理想的です。
ステップ3:クラウド環境の設計・構築
AWS上で必要なインフラを設計・構築します。主な構成要素は以下です。
-
VPC(仮想ネットワーク)
-
サーバー(EC2)
-
データベース(RDSやAurora)
-
IAM(アクセス制御)やCloudTrail(監査ログ)などのセキュリティ対策
Well-Architected Framework(AWSの設計指針)に沿って、セキュアで効率的な環境を整備することが重要です。
ステップ4:データ・アプリケーションの移行
ここで実際にアプリケーションやデータをAWSへ移します。
業務に影響を与えないよう、夜間や休日を利用した段階的移行や、バックアップ体制の確保が求められます。
-
サーバーデータ移行:AWS Migration Hub、Server Migration Serviceなどを活用
-
データベース移行:Database Migration Service(DMS)などを利用
-
テスト実施:移行後に業務が正しく稼働するかの検証
ステップ5:運用・最適化
移行は「終わり」ではありません。AWS上のリソースを効率的に運用・監視し、継続的に最適化する体制が必要です。
-
監視:Amazon CloudWatchやGuardDutyで可視化と脅威検知
-
コスト管理:AWS Cost Explorerで使用状況を常時チェック
-
定期的なリソースの見直し・スケーリング設定
移行後の運用こそが、AWSの価値を最大化する鍵です。
3. AWS移行でよくある課題とその対策
課題 | 対策 |
---|---|
どのシステムから始めるべきかわからない | アセスメント結果に基づき、優先度の高い業務から段階的に実施 |
社内にAWSのスキルがない | 移行はAWSパートナーに委託し、社内教育も並行で実施 |
コスト管理が難しい | 移行前に費用シミュレーションを行い、Savings Plansなどを活用 |
当社では、AWS移行のサポートも承っております。他にも、AWS導入・運用支援を行っており、以下のような役割を担います。
-
要件定義〜PoC構築〜本番移行まで一括支援
-
AWS認定技術者による運用・セキュリティ設計支援
-
社内展開のためのマニュアル・教育支援あり
まとめ:手順を踏めば、AWS移行は怖くない !
AWS移行は、正しい手順とパートナー選定さえ間違えなければ、想像以上にスムーズに進めることが可能です。
「AWS移行=大規模プロジェクト」と身構える必要はなく、むしろ部分的・段階的な導入から始める企業がほとんどです。
初めてのAWS移行に不安がある方は、まずは「移行準備ができているか」をチェックすることから始めてみてください。