企業内には、規程、契約書、マニュアル、社内報、議事録、プロジェクト報告書など、日々大量の文書が蓄積されています。
これらは本来、業務効率や品質を高めるための「資産」であるはずです。
しかし現場では、こんな声が後を絶ちません。
「〇〇の手続き、どの資料に書いてあったか分からない」
「過去のトラブル対応を参考にしたいが、探すだけで時間が溶ける」
「契約書の条項を確認したいが、検索キーワードが思いつかない」
結果として、文書はあるが、膨大過ぎて見つけられない企業は少なくありません。
こうした課題の解決策として、近年注目を集めているのが生成AIを活用した社内文書検索です。
生成AIを活用した社内文書検索とは、AI(特に大規模言語モデル)を用いて、社内に蓄積された文書やナレッジを自然な質問文で検索・要約・活用できる仕組みを指します。
中核となる技術が、RAG(Retrieval-Augmented Generation)です。
※RAGについての詳しい説明は、こちらのコラムをご覧ください。
RAGでは、
1. ユーザーが質問を入力
2. システムが関連文書を検索
3.検索結果をもとに生成AIが回答を作成
という流れで応答を生成するため、従来のキーワード検索では拾えなかった文脈・背景・ノウハウを含めた情報活用が可能になります。
生成AI社内文書検索の紹介記事では、「すぐ答えが出る」「業務が効率化する」といったメリットが強調されがちです。
ところが、実際に社内導入を検討する立場になると、別の不安が浮かび上がってきます。
その回答、本当に正しいのか?
どの文書を根拠にしているのか説明できるか?
誤った回答をした場合、誰が責任を取るのか?
特に情報システム部門やDX推進担当者にとって、「AIが勝手に答える仕組み」は、便利であると同時にリスクでもあります。
この不安を解消できなければ、生成AI社内文書検索はPoC止まりで終わるケースがほとんどです。
「その回答は、どの文書を参照したのか?」これを説明できないAIは、社内利用に耐えません。
アクセス権限を無視して文書を参照・要約してしまえば、重大な情報漏洩につながります。
AIが間違えたとき、「AIが言ったから」では社内は納得しません。
この3つを同時に解消できるかどうかが、社内文書検索AI導入の分かれ目です。
そこで重要になるのが、AIがいきなり答えを出さない設計です。
弊社のRAGサービスでは、
検索 → エビデンス表示 → ユーザー選択 → 回答生成
という二段階プロセスを採用しています。これは単なる機能ではなく、社内で安心して使うための思想です。
まず検索段階で、ユーザーの権限に応じて参照可能な文書のみを対象とします。
部署・役職ごとのアクセス制御
機密文書・契約書の参照制限
ここから、AIが知ってはいけない情報を参照すること自体を防止します。
検索後、いきなり回答は生成されません。まず、
どの文書がヒットしたのか
どの記載を根拠にしようとしているのか
をユーザー自身が確認・選択できます。このプロセスがあることで、
回答の根拠を説明できる
不安な文書は除外できる
AIの誤解釈を未然に防げる
という効果が生まれます。
AIを「ブラックボックス」にしないことが、社内利用では何より重要です。
この二段階プロセスにより、生成AIは「勝手に答える存在」ではなく、
人の判断を支援する
根拠を整理する
回答作成を効率化する
補助役として機能します。結果として、
社内説明がしやすい
監査・レビューにも耐えられる
本番導入に踏み切れる
生成AI活用が実現します。
当社では、RAGサービス以外にもAWS(Amazon Bedrock)を基盤とした
生成AI・RAG導入支援を行っています。
PoC環境の短期構築
既存システム・文書管理基盤との連携
社内向け生成AI活用トレーニング
導入後の改善・運用支援
詳しくは、生成AI構築サービスをご覧ください。
生成AIを使えば、社内文書検索は確かに便利になります。
しかし、「どう答えさせるか」よりも、「どう確認させるか」が重要です。
AIに任せきりにしない
人が根拠を把握できる
社内で説明責任を果たせる
この視点を持つことが、生成AI社内文書検索を成功させる近道です。
少しでも気になる方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。