オンプレミスからクラウド移行とは? 失敗事例から学ぶ「AWS移行」で後悔しないための実践ガイド
オンプレミス環境の老朽化や保守コストの増大を背景に、オンプレミスからクラウドへの移行を検討する企業が増えています。中でもAWSは、高い信頼性と拡張性を備えたクラウド基盤として、多くの企業に採用されています。
一方で、「クラウドに移行すればすべて解決する」
という認識のまま進めてしまい、移行後に新たな課題に直面する企業も少なくありません。
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想定以上にコストが増えてしまった
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既存システムがクラウド上でうまく動かない
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運用が属人化し、改善が進まない
本記事では、オンプレミスからクラウド移行(AWS移行)を検討している企業の情シス担当者・IT責任者向けに、よくある課題と失敗の原因、そして成功させるための具体的なステップを実務目線で解説します。
オンプレミスとクラウドの違いを整理する
| 項目 | オンプレミス | クラウド |
|---|---|---|
| 初期費用 | 高い | 低い |
| 運用負荷 | 大きい | 小さい |
| 拡張性 | 低い | 高い |
| BCP | 自前 | 標準対応 |
● オンプレミス環境の限界
オンプレミス環境は、自社要件に合わせた設計が可能な一方で、
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ハードウェアの老朽化・保守切れ
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障害対応や運用の属人化
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キャパシティ不足への対応遅れ
といった課題を抱えやすく、中長期的に見ると運用負荷とコストが増大しがちです。
● クラウド移行で得られる本質的な価値
クラウド移行の目的は、単なる「サーバーの引っ越し」ではありません。
IT基盤を柔軟かつ持続可能な形に再構築することが、本来の狙いです。
オンプレミスからAWS移行で直面しやすい5つの課題
AWSへのクラウド移行は、想像以上に検討事項が多く、次のような課題でつまずく企業が多く見られます。
課題①:既存システムの依存関係がブラックボックス化している
オンプレミス環境では、
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バッチ処理
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他システムとの連携
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手作業による運用フロー
など、ドキュメントに残っていない依存関係が存在することが少なくありません。
これを整理しないまま移行すると、本番切替時の障害リスクが高まります。
課題②:移行方式を「なんとなく」で選んでしまう
AWS移行には、Rehost / Replatform / Refactor といった方式がありますが、
目的が整理されていないまま方式を決めてしまうケースが多く見受けられます。
その結果、
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工数が想定以上に膨らむ
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移行は完了したが、クラウド最適化できていない
といった失敗につながります。
課題③:AWS設計・コスト試算の難易度が高い
AWSは自由度が高い反面、
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過剰な冗長化
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不要なリソースの常時稼働
によって、想定以上のコストが発生するケースがあります。
課題④:PoC不足による移行後トラブル
検証を十分に行わず本番移行を進めてしまうと、
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性能問題
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データ不整合
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システム連携エラー
が移行後に顕在化し、業務へ影響を及ぼします。
課題⑤:移行後の運用体制が整っていない
クラウド移行後に、
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運用担当のスキル不足
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権限・監視設計の不備
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コスト管理ができていない
といった状態になると、クラウドのメリットを十分に活かせません。
オンプレミスからクラウド移行を検討すべきか?判断チェックポイント
オンプレミスからAWSへのクラウド移行は、「すぐに移行すべきかどうか」を決める前に、そもそも自社が“検討フェーズに入るべき状態か”を判断することが重要です。
以下は、実際に多くの企業で見られる「移行検討のきっかけ」になりやすいポイントです。
現時点で当てはまるものがあるか、「はい/いいえ」で確認してみてください。
① サーバー更改や保守更新のたびに、次の方針が曖昧なまま進んでいる
☐ その場しのぎの延命対応が続いている
☐ 「次も同じ構成でよいのか」という議論が毎回出ている
→ 中長期的なインフラ戦略を見直すタイミングに差し掛かっています。
② 障害対応や運用を特定の担当者に依存している
☐ 障害時に頼れる人が限られている
☐ 運用手順が属人化している
→ 将来的なリスクが顕在化しやすい状態です。
③ システム全体の構成を正確に把握できていない
☐ サーバー・ネットワーク・アプリの関係性を図で説明できない
☐ 過去の経緯が分からないシステムが存在する
→ 移行以前に、まず“整理”が必要なフェーズです。
④ 新規システム追加や改修に時間がかかりすぎている
☐ ちょっとした変更でも調整や確認に時間がかかる
☐ ビジネススピードにITが追いついていない
→ インフラの柔軟性がボトルネックになっています。
⑤ インフラコストを正確に説明できない
☐ 「高い・安い」は分かるが、内訳までは把握できていない
☐ 将来のコスト見通しが立てづらい
→ オンプレミス運用でよくある状態です。
⑥ BCPや災害対策が後回しになっている
☐ 重要だと分かっているが、具体的な対策は未検討
☐ 現状のままでは不安が残る
→ 経営視点での検討が求められる段階です。
⑦ 「クラウド移行した方がよさそう」という空気だけが先行している
☐ 明確な目的や方針はまだ定まっていない
☐ 何から始めるべきか分からない
→ この状態で進めると、移行後に後悔する可能性が高くなります。
📝判断結果の目安
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3つ以上当てはまる場合
オンプレミスからクラウド移行を「検討フェーズ」に入るタイミングです。
ただし、この時点で移行を決断する必要はありません。
重要なのは、「移行できる状態か」「何が整理できていて、何が不足しているのか」を
客観的に把握することです。
そのための次のステップとしておすすめなのが、AWS移行準備チェックリストです。
オンプレミスからクラウド移行を成功させる5つのステップ
これらの課題を解決し、安全にAWS移行を成功させるためには、次の5つのステップで進めるのが最適です。
表にまとめましたので、まずは全体像をご覧ください。
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ステップ
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内容
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解決できる課題
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|---|---|---|
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STEP1
アセスメント(現状分析) |
・サーバー/DB/アプリの棚卸し・依存関係の可視化・リスク分析
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① 依存関係が不明瞭③ 設計に必要な情報不足
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STEP2
移行方式の選定 |
・Rehost / Replatform / Refactor の検討・目的に応じた方式決定
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② 最適な方式が選べない
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STEP3
AWS設計 |
・VPC/サブネット設計・IAM/ログ管理/監視設計・運用手順策定
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③ AWS知識不足⑤ 移行後の運用問題
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STEP4
PoC(試験移行) |
・アプリ動作確認・性能テスト・データ整合性・連携確認
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④ 本番移行後のトラブルリスク
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STEP5
本番移行・切替 |
・移行手順書作成・本番データ移行・移行後チューニング
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①②④⑤の最終リスク解消
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導入イメージ:製造業A社のAWS移行ケース
■ 課題
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オンプレミスサーバーの老朽化
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システム間の依存関係が複雑
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運用担当者の不足
■ Cloud Wing の支援内容
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アセスメントにより依存関係を可視化
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重要システムはRehost、Web系はReplatformを採用
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PoCを複数回実施し、本番リスクを低減
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移行後の運用設計まで支援
■ 結果

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ダウンタイムを最小化した形で切り替え完了
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システム安定性が向上
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運用負荷を約20%削減
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クラウド活用による新サービス検討が可能に
Cloud WingのAWS移行支援サービス
Cloud Wingでは、オンプレミスからAWSへのクラウド移行を、設計・構築・移行・運用まで一貫して支援しています。
Cloud Wingが選ばれる理由
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AWS公式パートナーによる、技術と実績に基づいた支援
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設計・構築・移行・運用保守までをワンストップで対応
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中堅・中小企業に最適化した「現実的」かつ「柔軟」な支援体制
オンプレミスからAWS移行を検討している企業へ
オンプレミスからAWSへのクラウド移行は、「技術の問題」ではなく「整理の問題」でつまずくケースがほとんどです。
Cloud Wingでは、こうした移行前の混乱を防ぐために、「AWS移行準備チェックリスト」 を用意しています。
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何が整理できていて
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何がまだ検討できていないのか
を可視化することで「何から着手すべきか」が明確になります。
まずはチェックリストで自社の状態を把握し、その結果をもとに、Cloud Wingの無料相談をご活用ください。御社の状況に合わせた、現実的なAWS移行プランをご提案します。