サーバーの保守切れとは、メーカーやベンダーが提供しているハードウェア保守・サポート契約の期限が終了した状態を指します。
保守期間中であれば、故障時の部品交換や技術サポートを受けられますが、保守切れ後はこれらの対応が一切受けられなくなります。
多くの企業では、
「通知は来ているが、まだ動いているから問題ない」「今すぐ何か起きるわけではないだろう」
と判断し、対応を先送りしてしまいがちです。
しかし、サーバーの保守切れは、確実にリスクを高めていく状態でもあります。
近年、サーバー保守切れが注目されている背景には、次のような理由があります。
サーバーの長期利用(7年〜10年超)が当たり前になっている
半導体不足により、部品供給が不安定
OS・ミドルウェアのEOL(サポート終了)が加速
セキュリティインシデントの増加
特にオンプレミス環境では、「ハードウェア・OS・アプリケーションが連鎖的に古くなる」
という問題が起きやすく、保守切れはその象徴的なサインとも言えます。
サーバーの保守切れは、計画的に把握されているケースよりも、想定外のタイミングで発覚するケースが少なくありません。
よくあるのが、次のような場面です。
メーカーや保守ベンダーから突然届く「保守終了のお知らせ」
サーバー障害発生時に問い合わせた結果、「すでに保守対象外」と判明
システム更改の検討中に、現行サーバーがEOSLであることが分かる
特に情シス担当者が少人数、もしくは兼任体制の場合、過去の導入経緯や契約内容が正確に引き継がれていないことも多く、「今まで普通に使えていたから大丈夫だと思っていた」という声もあります。
しかし、問題は発覚したその後に起こることがほとんどです。
保守切れを認識した瞬間から、サーバーは「いつ障害が起きてもおかしくない状態」となり、企業としては迅速な判断を迫られることになります。
保守切れ後は、メーカーからの部品供給が保証されません。
ディスクや電源が故障した場合、同型部品が入手できず、復旧まで数週間かかるケースもあります。
OSやファームウェアの更新が止まり、既知の脆弱性を抱えたまま運用する状態になります。
「このサーバーのことが分かるのはあの人だけ」という状況になり、担当者異動・退職時のリスクが高まります。
ベンダーサポートがないため、トラブル発生時の判断・対応はすべて自社責任になります。
放置期間が長くなるほど、クラウド移行や刷新時の設計・検証工数が増えます。
サーバー保守切れ時によく選ばれるのが、次のような延命策です。
これらは短期的なコスト削減にはなりますが、
といった課題を抱えやすく、「根本解決」にはなりません。
| 対応策 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| サーバー更改 | 安定性が高い | 初期費用が高い |
| クラウド移行 | 柔軟・拡張性 | 設計・運用の知識が必要 |
| 第三者保守 | 短期延命 | 中長期リスクは残る |
※自社に合う選択肢は運用体制によって異なります
多くの企業が失敗するポイントは、クラウド移行や更改がゴールになってしまうことです。
実際には、
といった日々の運用こそが最大の負担になります。
サーバー保守切れは、運用体制を見直す絶好のタイミングとも言えます。
サーバー保守切れへの対応を考える中で、「そもそも自社のクラウド課題がどこにあるのか分からない」
と感じる方も多いのではないでしょうか。
そのような方向けに、自社のクラウド課題を簡単に確認できる「AWS診断ナビチェックシート」をご用意しています。
いくつかの質問に答えるだけで、現状の課題や検討ポイントを整理することができます。
サーバー保守切れをきっかけに、クラウド移行を具体的に検討したい方におすすめなのが、「クラウド移行準備チェックリスト」です。
クラウド移行準備チェックリストでは、いきなりクラウド移行を始めるのではなく、どこから手を付けたらよいかがが分かるように、チェック形式でまとめています。
サーバーの保守切れは、単なる「期限切れ」ではなく、運用リスクが表面化し、IT環境を見直すきっかけでもあります。
まずは自社の状況を正しく把握し、どのレベルの対応が必要なのかを整理することが重要です。
本記事で紹介したAWS診断ナビチェックシートやクラウド移行準備チェックリストを活用しながら、
無理のない形で次のステップを検討してみてください。