【AWS】コラム

難しい設定は不要?Route 53 Global ResolverでハイブリッドクラウドのDNS問題を解消してみた

作成者: ゼネックコミュニケーション|Mar 30, 2026 6:10:04 AM

前回の記事「ハイブリッド環境のDNS管理がもっと楽に!Route 53 Global Resolverの基本を整理」から少し時間が経ってしまいましたが、今回は実際に検証を行いました。

設定手順や躓いたポイント、その結果を詳しくご紹介していきます。

ハイブリッドクラウドのDNS管理に課題を感じている方は、ぜひチェックしてみてください!

 

目次 

1.検証の準備と構成

1.1 検証環境の概要

1.2.導入前の名前解決の確認

2.Global Resolverの導入手順

3.名前解決の検証

3.1.失敗!!

3.2.設定修正後に再試行

4. まとめ

5.参考文献・情報源

 

1.検証の準備と構成  

1.1.検証環境の概要 

今回は、EC2をオンプレミス環境のクライアントに見立て、
Global Resolver経由で別VPCに作成したALBの名前解決ができるかを確認しました。

Global Resolver 検証構成図

VPC AのEC2をオンプレ側のDNSサーバと想定し、
Global Resolverを経由してVPC B のALBの名前解決が可能かどうかを検証します。

1.2.導入前の名前解決の確認

Global Resolverを作成する前の状態で、EC2からALBへのDNS名の名前解決を試みました。

結果はもちろん 「NXDOMAIN(名前解決失敗)」でした。

実行コマンドと結果

世界的な半導体不足により、サーバー機器の生産が滞っています。CPUやメモリなどの主要部品の供給が追いつかず、製造自体が遅延しています。

導入前の状態では、Private Hosted Zone(PHZ)の情報を取得できず、名前解決は失敗します。

Global Resolverを導入することで正しく解決できるか検証していきます。

 

2.Global Resolverの導入手順    

①Global Resolver の作成

コンソール上に 「グローバルリゾルバー」が追加されました。

画面右手にある「グローバルリゾルバーを作成」を押下して作成をしていきます。

なお、従来のリゾルバーは「VPC リゾルバー」として名称が変更されています。

②Global Resolver の設定値

まずは、任意の名前を入力します。今回は 「Amazon Route53 Global Resolver」と入力しました。

次に、リージョンを選択します。今回は 「東京」 「オレゴン」 の2か所を選択して作成をします。

リージョンについては、可用性を確保するために「2か所以上の選択が必須」となっています。

「リゾルバーを作成」を押下してから作成完了までにはおおよそ5分ほどかかりました。

この時点で使用可能なAnycast IPが2つ払い出されていることが確認できます。

③DNSビューの設定

Global Resolver の作成が完了したら、「DNSビュー」を作成します。

ここでは、セキュリティ設定を行います。DNSビュータブの「DNSビューを作成」から作成可能です。

まずは、任意の名前を入力します。 今回は 「Example-Private-View」 と入力しました。

今回は疎通確認がメインのため、その他の項目はすべて 「デフォルト」 の設定値で作成をします。

 

【デフォルト設定の主な3項目】
DNSSEC検証:応答の偽造を防ぎ、セキュリティを高める機能
FWルールがオープンに失敗する動作:不具合時に通信を「通すか止めるか」の設定
EDNSクライアントサブネット:位置情報を伝え、最適なサーバーへ誘導しやすくする機能

④プライベートホストゾーンの設定

DNSビューの作成が完了したら、PHZを関連付けます。

これにより、PHZの情報が、Anycast IPを通じてインターネット経由で参照可能になります。

プライベートホストゾーンタブにある 「プライベートホストゾーンを関連付ける」から設定が可能です。

作成済みのプPHZの一覧が表示されます。

あらかじめ作成しておいた「ALBのAレコード」が含まれるPHZを選択して関連付けを実施します。

⑤アクセスソースの設定

最後にアクセスソースの設定を行っていきます。

これを設定することで、指定したIPアドレス・トークン以外からの不正な利用を防ぐことができます。

アクセスソース タブ にある 「アクセスソースを作成」から作成が可能です。

まずは、任意の「ルール名」を入力します。今回は 「Example-Access-Source」 と入力しました。

次に、CIDRブロックには接続元となる 「EC2のパブリックIP」 を入力します。

プロトコルについては、 「Do53 (TCP/UDP:53)」 を選択して作成をします。

これでGlobal Resolver 関連の設定についてはすべて完了です。
再度コマンドを実行して、名前解決ができているか確認してみましょう。

 

3.名前解決の検証    

3.1.失敗!!

サブタイトルの通り、初回の名前解決はうまくいきませんでした。

実行コマンドと結果

失敗の原因は、デフォルトのResolver(10.100.x.2)を参照していたことでした。
デフォルトのResolverからはGlobal Resolverへのフォワードができません。

オンプレミスからのアクセスを模倣するには、EC2のネームサーバー設定を修正し、
Global ResolverのAnycast IPを直接参照するように設定する必要がありました。

コマンドの結果をよく見れば気が付ける内容でした、、
;; SERVER: 10.100.x.2#53(10.100.x.2)  <-- クエリはデフォルトの Resolverへ送信されていた

3.2.設定修正後に再試行

EC2の設定ファイル(/etc/resolv.conf)に、Global ResolverのAnycast IPを記載しました。

変更後に再度コマンドを実行したところ、Global ResolverのAnycast IPアドレスにクエリが到達し、VPC B内のALBのプライベートIPアドレスが返されました。

 

まとめ  

今回の検証で、Global Resolverがハイブリッド環境のDNS管理をいかに楽にしてくれるかを実感できました。

特に驚いたのは、その設定の簡単さです。ネットワーク構成やルーティングをほとんど意識することなく、コンソール上で必要な項目を順番に選択していくだけで、あっという間にVPCの外からの名前解決が実現しました。

「直感的に導入できる手軽さ」と「DNSビューによる一元管理」は、非常に大きな魅力です。これからの運用において、Global Resolverは私たちの負担を減らす心強い味方になってくれそうです。

 

5.参考文献・情報源

本記事は、以下のAWS公式サイトおよび公式ブログの情報を参考に作成しています。

Global Resolverの最新情報や技術仕様については、公式情報をご確認ください。

https://aws.amazon.com/jp/route53/global-resolver/

https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/introducing-amazon-route-53-global-resolver-for-secure-anycast-dns-resolution-preview/