【AWS】コラム

BCP対策に強いシステム・サーバーとは?クラウド移行で実現する事業継続の考え方

作成者: ゼネックコミュニケーション|Feb 9, 2026 5:33:55 AM

自然災害の激甚化、サイバー攻撃の高度化、パンデミックや人材不足など、企業を取り巻くリスクは年々増加しています。こうした中で改めて注目されているのがBCP対策(事業継続計画)です。

特に近年、IT基盤そのものをどう守り、止めないかが重要なテーマになっています。

本記事では、BCP対策におけるシステム・サーバーの役割を整理したうえで、クラウド移行(AWS)を活用した実践的なBCP対策について、具体例を交えながら解説します。

 

BCP対策とは?なぜ「システム」「サーバー」が重要なのか

BCP対策とは、災害や障害などの緊急事態が発生した際にも、事業を中断させず、または早期に復旧させるための計画・取り組みを指します。

従来のBCP対策では、「代替オフィスの確保」「従業員の安否確認」「紙ベースの業務マニュアル」といった観点が中心でした。

しかし現在では、業務の多くがITシステムに依存しているため、システムやサーバーが停止する=事業が停止するという状況が珍しくありません。

そのため、現代のBCP対策では以下のような視点が不可欠です。

  • 基幹システムが停止した場合、業務は続けられるか

  • ファイルサーバーが使えなくなった場合、データは守られるか

  • 障害発生時、どれくらいの時間で復旧できるか(RTO)

  • どこまでのデータを復元できるか(RPO)

これらを支える中核が、「システム」と「サーバー」なのです。

 

オンプレミス環境におけるBCP対策の限界

現在も多くの企業が、自社内やデータセンターにサーバーを設置するオンプレミス環境でシステムを運用しています。しかし、BCP対策の観点では、オンプレミスにはいくつかの課題があります。

1. 災害リスクを完全に分散できない

サーバーを設置している拠点自体が被災すると、

  • 電源断
  • ネットワーク断
  • 機器破損

といった問題が同時に発生し、システム復旧が長期化する恐れがあります。バックアップを別拠点に置いていても、切り替え作業が属人化しているケースも少なくありません。

2. バックアップ・冗長化のコストが高い

BCP対策としてサーバーの二重化や遠隔地バックアップを行おうとすると、

  • 追加サーバー購入
  • データセンター契約
  • 運用管理コスト

などが発生し、特に中堅・中小企業にとっては大きな負担になります。

3. 復旧手順がブラックボックス化しやすい

「障害が起きたら、この人しか対応できない」「手順書はあるが古い」といった状態では、BCP対策として不十分です。人に依存したサーバー運用は、非常時ほどリスクになります。

 

BCP対策の解決策として注目される「クラウド移行」

こうした課題を背景に、BCP対策の手段としてクラウド移行を検討する企業が増えています。

特にAWS(Amazon Web Services)は、BCP対策との親和性が高いクラウド基盤として広く採用されています。

クラウドがBCP対策に強い理由

クラウドを活用することで、以下のようなBCP対策が現実的になります。

  • 地理的に分散されたデータセンター(リージョン/AZ)

  • 自動バックアップ・スナップショット

  • 障害時の迅速な切り替え

  • インフラ構成の可視化・標準化

つまり、「止めない」「失わない」「すぐ復旧できる」システム設計を実現しやすくなるのです。

 

AWSを活用したBCP対策の代表的な構成パターン

AWSでは、企業の規模や重要度に応じて、段階的なBCP対策が可能です。

1. バックアップ重視型(スモールスタート)

  • オンプレミス環境のバックアップ先としてAWSを利用
  • 災害時はAWS上にリストアして業務を再開

初期コストを抑えつつ、「データを失わない」BCP対策として有効です。

2. スタンバイ環境型(DR構成)

  • 平常時はオンプレミスが稼働
  • AWS上に待機系サーバーを用意
  • 障害時に切り替え

RTOを短縮したい企業に向いています。

3. クラウド完全移行型

  • 基幹システムやファイルサーバーをAWSへ移行
  • マルチAZ構成で高可用性を確保

BCP対策と同時に、運用効率化やコスト最適化も実現できます。

 

「BCP対策 × クラウド移行」で他社と差がつく視点

BCP対策というと「災害対策」だけに目が向きがちですが、差別化のポイントは平常時の価値にあります。

BCP対策は“非常時の保険”ではない

クラウド移行によるBCP対策は、「運用負荷の軽減」「システム構成の可視化」「セキュリティレベルの底上げ」といった効果を、平常時からもたらします。

つまり、BCP対策のためにシステムを見直した結果、日常業務も強くなる、という視点を持てるかどうかが重要です。

 

BCP対策を目的としたクラウド移行で失敗しやすいポイント

一方で、次のようなケースでは期待した効果が得られないこともあります。

  • とりあえずサーバーをクラウドに移しただけ

  • 復旧手順や切り替えテストを実施していない

  • BCP要件(RTO/RPO)が曖昧なまま設計している

BCP対策としてのクラウド移行では、「移行すること」自体が目的にならない設計が不可欠です。

 

BCP対策を成功させるためのAWS移行準備とは

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BCP対策としてクラウド移行を進める際には、事前準備が非常に重要です。

  • 現在のシステム構成を把握できているか

  • どの業務をどこまで止められないのか

  • 復旧目標時間(RTO)を定義できているか

これらを整理せずに移行を進めると、BCP対策として不十分なシステムになってしまいます。

そこで有効なのが、AWS移行準備チェックリストを使った事前整理です

 

AWS移行準備チェックリストでBCP対策を“見える化”する

AWS移行準備チェックリストでは、

  • 現行サーバーの役割整理

  • データの重要度分類

  • バックアップ・復旧要件の確認

  • BCP対策として不足しているポイント

などを体系的に確認できます。

BCP対策において重要なのは、「対策しているつもり」をなくすことです。チェックリストを活用することで、自社のBCP対策レベルを客観的に把握できます。

 

BCP対策の第一歩は“システムの見直し”から

BCP対策は一度作って終わりではありません。システムやサーバーの在り方を見直し、クラウドを活用することで、非常時にも平常時にも強いIT基盤を構築することができます。

まずは、AWS移行準備チェックリストを活用し、自社のBCP対策を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。