【AWS】コラム

ハイブリッド環境のDNS管理がもっと楽に!Route 53 Global Resolverの基本を整理

作成者: ゼネックコミュニケーション|Jan 5, 2026 1:20:33 AM

AWS re:Inventで発表された「Amazon Route53 Global Resolver」、もうチェックされましたか? 

新しく登場したGlobal Resolverは、Inbound EndpointやPrivate Hosted Zone(PHZ)の関連付け、セキュリティグループ(SG)設定といった従来の手間が解消され、ハイブリッドDNSをよりシンプルに扱えるようになりました。 

この新しい仕組みが従来の構成とどう異なるのか、一緒に確認していきましょう! 

 

目次

1.従来構成の課題 
 1.1.従来の構成で発生していた運用負荷 

2.Global Resolverの特徴 
 2.1.Anycast IPによる変化 
 2.2.DNSビューでできること 

3.構成の比較 

4.Global Resolverを導入する3つのメリット 
 4.1.運用・コストの削減 
 4.2.セキュリティレベルの向上 
 4.3.グローバルな可用性 

5.まとめ 

6.参考文献・情報源 

 

1.従来構成の課題 

従来のVPC Resolverを使ったハイブリッドDNSは、複雑な構成になりやすく運用負荷が高いという問題がありました。 

1.1.従来の構成で発生していた運用負荷 

従来の構成では、オンプレミス側のDNSサーバーで、AWSへのトラフィックを転送・冗長化するための設定が必要であり、以下のような負荷が発生していました。 

  • 複数のIPアドレスの管理 

リージョンごとに異なるInbound EndpointのIPを個別に管理する必要がありました。 

  • 手動でのフェイルオーバー設計 

マルチリージョン化・冗長構成の設計・テストを手動で行う必要がありました。 

  • セキュリティ確保 

SGによるアクセス制御は柔軟性に欠け、管理が煩雑になりがちでした。 

 

2.Global Resolverの特徴 

Global Resolverは、Inbound Endpointを使用せずに、新しい技術要素によって従来の課題を解消します。 

2.1.Anycast IPによる変化 

※ Anycast IPとは:世界共通のIPアドレスを使用し、BGP(インターネットの経路制御プロトコル)によって利用者を「物理的に最も近いリージョン」へ自動誘導する技術です。これにより、拠点ごとの個別設定なしで低レイテンシと自動フェイルオーバーを実現します。 

  • Anycast IPを利用 

オンプレミスのDNSサーバーは、Anycast IPへ転送設定を行うだけで済みます。
 これにより、リージョン毎に異なるIPアドレスの管理や冗長化設計が不要になります。 

  • 自動可用性の確保

Anycast IPは地理的に最も近いAWSリージョンへと自動でクエリをルーティングします。
そのため、手動でのフェイルオーバー設計や運用が不要になります。 

2.2.DNSビューでできること 

DNSビューは、Global Resolverの中核となるアクセス制御機能です。 
アクセス元IPや認証トークンに応じて、参照可能なPHZや許可ルールを指定できます。 

  • アクセス許可とトークン認証 

IP/CIDR ベースに加えて、トークン認証でより細かなアクセス制御を実現できます。 

  • PHZ参照ルール 

アクセス元によって参照先のPHZを指定することができます。 

 

3.構成の比較 

項目 
従来の VPC Resolver 
Global Resolver 
エンドポイント 
各リージョンにInbound Endpointを作成 
単一の Anycast IP 
PHZ管理方法 
VPC ごとにPHZを関連付け 
DNSビューでアクセス元に応じて制御 
アクセス制御 
SG による制御が中心 
IP/CIDR+トークン認証 

 

こうして比較すると、Global Resolverが「従来の苦労」を解決しているかがわかります。 
設定が一元化されることで構成がシンプルになり、運用ミスの削減が期待できます。 

 

4.Global Resolverを導入する3つのメリット 

4.1.運用・コストの削減 

  • Inbound Endpointの運用・監視が不要 
  • Inbound Endpointの実行コストを削減 
  • リージョンごとのIP管理や冗長化設計が不要 
  • 設定・保守にかかる工数を削減 

4.2.セキュリティレベルの向上 

  • DNSビューによる一元的制御 
  • IP/CIDRやトークン認証による細かいアクセス管理 
  • DGA検出・DNSトンネリング検出・DNSSECによる改ざん防止 
  • AWS ShieldによるDDoS耐性 

4.3.グローバルな可用性 

  • Anycast IPにより最適リージョンへ自動ルーティング 
  • 地理的に最適な応答で低レイテンシを実現 
  • 冗長構成を自動的に確保 
  • フェイルオーバー設計が不要 

 

5.まとめ

Global Resolverは、従来のハイブリッド DNSが抱えていた管理の複雑さを解消する仕組みだと感じました。 

エンドポイントの管理やフェイルオーバー設計が不要になった点や、DNSビューによる柔軟な制御も加わったことで、全体的に扱いやすさが向上しました。 

Global Resolverの仕組みが理解できたので、次は実際に設定してみて、本当に運用が楽になるのかどうか、試してみたいと思います!

 

6.参考文献

本記事は、以下のAWS公式サイトおよび公式ブログの情報を参考に作成しています。 
Global Resolverの最新情報や技術仕様については、公式情報をご確認ください。 

https://aws.amazon.com/jp/route53/global-resolver/ 

https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/introducing-amazon-route-53-global-resolver-for-secure-anycast-dns-resolution-preview/